2008年05月20日

みつこ

短篇ミステリー作家のジャック・リッチー(1922年〜1983年)氏の紹介をさせて下さい。

リッチーは1950〜80年代にかけて『ヒッチコック・マガジン』や『EQMM』などの雑誌に350篇もの短篇ミステリーを発表。

徹底的に無駄を省いた短編ミステリーのスペシャリストだそうで、作家のファンも多く、かのヒッチコックの大のお気に入りでもあったとか。

魅力的な登場人物、テンポの良さの中にサスペンスとユーモア、哀愁なんかも盛り込まれた、ジャック・リッチーの作品。

可能な限りシェイプされているのに奥深いストーリーは、小洒落た雰囲気を醸し出しながら展開。

読み進めていくと、いつのまにやら、思わぬ所へ着地。
この着地方法のバラエティー豊かさがたまらなく魅力的なんです♪。

本の向こう側で、「私の仕掛けた謎が解けるかい?」と、微笑む著者の顔が浮かんでくるよう…。

今度こそ!解くぞ〜!と思って読み進めるのですが、やっぱり、やられちゃいます。

こんな短いページ数で、こんなにぐるる〜んと転がって、ワクワクさせてくれる技に脱帽。

爽快に著者の魔術にかかってしまうので、読みおわった時は、思わずニヤッと微笑が…。

そんな1950〜80年代の作品でありながら、日本で初めて短篇集となったのは2005年9月。

そのまま、2006年度「このミステリーがすごい」の海外作品第1位に輝いた短篇集であり、私が彼を知るきっかけとなった「クライム・マシン」をお知らせ。

この短篇集、表題作「クライム・マシン」は、『37の短篇』 に選ばれており、1982年MWA賞(アメリカ探偵作家クラブ賞:別名:エドガー・アラン・ポー賞)最優秀短篇賞を受賞した「エミリーがいない」等、17作品を集録。
リッチーの幅広い世界を堪能できるお得な本だと思います。

腕利きの殺し屋の前に「タイムマシンで、あなたのこれまでの犯罪を目撃してきた」という男が現れ次々と状況証拠を示す「クライム・マシン」。

妻殺しを疑われた男と彼を追い詰める妻の従姉。電話をかけてこられるはずのない妻からの電話が鳴る「エミリーがいない」。

投獄4年、冤罪で釈放された男。男はある決意を胸に、かつて自分を陥れた者達の元を訪ねる「日当22セント」。

これらから何を想像しますか?
SF?、従姉と夫の攻防?、復讐劇?。

どんな結末が待っているのかは、読んでのお楽しみ。うぉ〜!と楽しんで下さい。

短いページ数の中の魅力的な人物とサスペンスユーモアの切れ味は抜群。ちょっとしたニヒル感がたまりません。

私のお気に入りの作品「殺人哲学者」や「旅は道づれ」は、ほんの5Pなので紹介できなくて残念なのですが、「最高にクールで上手いっ!」と唸らせてくれます。

ぜひぜひ、彼の上質な短篇小説マジックの世界に足を踏み入れてみて下さい。

「このミステリーがすごい」大賞HP

http://konomys.jp/index.html


アメリカ探偵作家クラブ(MWA)

http://www.mysterywriters.org/


「このミステリーがすごい」の歴代の入賞作品には、こちらでも御紹介していただいた作品もズラリ。
日本の本と海外の本とがございますので、「何か読もうかな?」という時の本探しにもよろしいかと思います。

クライム・マシン.jpg
【関連する記事】
posted by TERU at 17:19| Comment(0) | お勧めの本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。